ORIGAMIは世界共通のことば

 在りし日の 吉澤 章会長(左)

アトリエの鉄線花(2004年5月14日)





 自宅にて(左下)
 (1984年)

 フランス、エスパースカルダンでの講習(右下)
 (1984年)

折り紙は紙の面と線の屈折と、色彩の調和から生まれる造形の詩です。
自由表現による創作折り紙が、新しい美術造形として、広く親しまれ、
理解されるようになりました。これは昔の折り紙とは違い、折り線にとらわれないで、
自然物を対象にしたり、精神的なものまで、自由に表現する楽しさにあります。
私は長年折り紙の研究をつづけ、紙造形の可能性を通して、創造美を追求しております。
もっとも基本的な事柄として、童謡にたとえられるやさしい折り方から、
芸術的な表現までわかり易く本にしたり、作品を展覧会でご覧頂いたり、
実際に指導しております。さらに多くの皆さんが折り紙に親しみ、
世界中が折り紙の美と喜びでいっぱいになるよう祈ります。

国際折り紙研究会会長 吉澤 章


An Invitation to Origami

Origami is a creative poem being born out of a harmony of surface, line, fold and color of paper.Creative Origami as a free expression has been widely appreciated and accepted as a new type of artistic creation. It depicts by free fold what people thinks, feels, and sees in natural subjects like birds, animals and flowers.

I have been researching the art of paper folding for many years, and have discovered, and recorded thousands of paper sculptures. In the numerous books I have published are precisely illustrated designs demonstrating the unlimited possibities that can be achieved from a single sheet of paper. These books illustrate patterns from easily crafted subjects taken from fairly tales to more profound artistic expressions. Along with the many exhibits that display may creation, I also devote much of my time to students desiring to improve their skills in Origami.

My dream is for more people to become acquainted with the art of Paper Folding, filling the world with the beauty and pleasure of Origami.
Akira Yoshizawa


吉澤章(国際折り紙研究会)・折り紙の軌跡

1911年 (明治44) 栃木県に生まれる。幼少の頃より折り紙に親しむ。
1938年 (昭和13)鉄工所に働きながら、本格的に折り紙の研究に入る。
1950年 (昭和25)栃木県教員組合の推薦により、教育的美術造形としての折り紙を発表。
1952年 (昭和27)「アサヒグラフ」をはじめ新聞、雑誌、展覧会などで創作折り紙を社会的に広める。
1954年 (昭和29)初の著書「折り紙藝術」刊行される。国際折り紙研究会を創設。
1955年 (昭和30)オランダのアムステルダム市立美術館において海外初の個展を開き、画期的な造形美術”ORIGAMI”として世界の注目を浴びる。以後、海外各国、国内各地の美術館やギャラリー(有隣堂、高島屋、三越など)で展覧会を開催。
1957年 (昭和32)著書「折り紙読本」を刊行、また古書「千羽鶴折形」を探求、解説して、普及させる。
1959年 (昭和34)ニューヨーク市クーパーユニオン美術館においてオランダへ出品した作品に新作も加えて展示。
1963年 (昭和38)著書「たのしいおりがみ」が毎日出版文化賞を受賞。
1964年 (昭和39)長年さがし求めていた折り紙の古書「何哉等草」の原本を朝日新聞大阪本社調査部で発見。
1966年 (昭和41)外務省から折り紙の講師としてオセアニア方面へまた、スイス、イタリアなどヨーロッパ(1968年)へ派遣される。
1971年 (昭和46)モービル児童文学賞を受賞
1972年 (昭和47)国際交流基金の要請により、また各所からの招聘もあり、ヨーロッパ各国に派遣される。その後、世界数十か国を訪問し、作品展や講演、ワークショップを行う。
1983年 (昭和58)折り紙による文化の普及に尽くした功績により勲五等雙光旭日章を叙勲される。
1984年 (昭和59)パリのエスパス・カルダンで朝日新聞社主催「日本の折り紙展」。また同展が松屋銀座で開催される。
1986年 (昭和61)折り紙とその背景となる日本文化の紹介に尽くしたことによる外務大臣賞を受賞。
1987年 (昭和62)イタリア・ミラノ市の招聘により作品展、ローマ日本文化会館主催による個展及び講演、中国に創作折り紙を普及(1987〜1989年にわたり)。
1992年 (平成4)スペインのセビリア万国博覧会日本政府館に「日本の四季」を折り紙で展示する。
1993年 (平成5)パリ及びサンフロランタン市で個展。
1994年 (平成6)ピーボディ・エセックス(アメリカ)にて個展と講演。
1995年 (平成7)国際折り紙研究会の四十周年記念展(練馬区立美術館)を会員と共に催す。
1996年(平成8)ドイツ、シーボルト博物館他三都市にて展覧会と講演会を開く。
1999年 (平成11)米寿記念「吉澤章創作折り紙」展(朝日新聞社主催)を東京銀座、札幌、京都、埼玉川越で開催。
2000年 (平成12)東京・王子の紙の博物館五十周年記念 企画展として「創作折り紙」開催される。同館では1962年以来毎年講習会や作品展が行われている。国際交流基金よりオマーン国へ派遣される。
2002年 (平成14)吉澤章「創作折り紙の世界」展を佐野美術館にて開催。
2003年 (平成15)1月 横浜有隣堂ギャラリーに於いて展覧会(同ギャラリーでは1957年から10回目となる)。9月から11月まで出身地の栃木県にて「創作折り紙展」を開催。10月から2004年12月Origami Masterworks展(於アメリカ Mingei International Museum)に特別招待を受けて出品。
2004年 (平成16)6月 アムステルダム市立美術館に於ける個展(1955年)出品作品の一部が返還される。その他の作品はL. Oppenheimer氏(アメリカ)の依頼によりG. Legman氏(当時フランス在住)によって保管されていた作品を転送、Cooper Union Museum他で展覧会が開催された。その後アメリカ各地を移動展覧されたが現在作品の所在は不明となっている。
10月紙の博物館恒例の作品展と講習会
この一年間には「パトス、Health Tribune、高齢社会ジャーナル、介護ジャーナル、清流」他内外の紙誌から「折り紙の創作と研究の人生」についてインタビューを受ける。
2005年 (平成17)3月14日歿

歿後の顕彰活動

2005年 (平成17) 3月〜9月 愛・地球博覧会の貴賓室に作品を展示する。7月ザルツブルク(オーストリア)に於けるMasters of Origami展に招待されて出品。開会式で「現代折り紙の創始者としての吉澤章の折り紙と生涯について」をテーマに吉澤喜代が特別講演をする。8月第35回夏期特別講習会を開催。吉澤折り紙の理論と技術を究める重要な行事として引き続き毎年行う。8月東京あわーず展(第10回)に参加。ロシア折り紙の会の希望により、「折り紙ピースツリー」を開催。9月同展を続いて京都にて行う。9月〜11月紙の博物館企画展「還ってきたOrigami 吉澤章創作の原点から現代まで」が開催される。
2006年 (平成18) 1月「吉澤章創作折り紙の世界展」を横浜市有隣堂ギャラリーに於いて開催。3月一周忌を機に乾窓院にて公開講座(講師吉澤喜代)を発足する。9月紙の博物館に於いて作品展と講習会。
2007年 (平成19) 4月 特定非営利活動法人「創作折り紙吉澤章美術館」準備事務局を設立。5月〜10月ハンブルク美術館(ドイツ)に招待されて特別出品。6月ニューヨークOrigami USAコンベンションで「藝術としての折り紙を発展させた吉澤章の精神と理論、作品について」をテーマに講演を依頼されて発表する。10月カンボジアへ代表吉澤喜代と会員数名が折り紙指導のため出張する。先に吉澤章著「たのしいおりがみ」を乾窓院がSVAを介してクメール語に翻訳したシールを被せ2006年〜2008年に渉り、カンボジアに寄贈された。同国、州の教育局主催の研修会に於いて、折り紙の「理論と実技」を教職者に伝える。この機会に同書の贈呈式が行われた。11月ビデオ「吉澤章―神・宿る手―」(1997年制作)が特典映像と英語字幕を付加してDVD化される。
2008年 (平成20) 1月〜3月紙の博物館にて作品展と講習会。2月〜3月東京銀座伊東屋に於いて「吉澤章のORIGAMI」展(独創と格調そして楽しく)を開催。同店和紙コーナーのケース展示は35年を経て続いている。3月〜5月静岡・佐野美術館に於いて「吉澤章創作折り紙の世界」展を開催。同館は再度の展観にて充実した内容となる。7月〜8月日光田母沢御用邸記念公園内研修ホールにて「吉澤章創作折り紙展」を開催。8月三鷹の森ジブリ美術館「こどもの時間2008」の催しに作品展示と講習。
2009年(平成21)12月吉澤章創作の折り方と技を会員の実演により撮影され、日本語と英語の2カ国語ナレーションDVD「Origami 一枚の紙を美しく折る」がポニーキャニオンから発行される。
2010年(平成22)3月 出身地 栃木県上三川町に作品を一部寄贈する。10月上三川町文化祭に寄贈作品を展示公開する。
2011年(平成23)5月オランダ・ライデン市、シーボルト・ハウスに於いて、吉澤章生誕100周年と1955年同国で海外初の個展が開かれたことに因んで、展覧会Beestenboelが開催される。8月上三川町のコミュニティーセンターに於いて吉澤章生誕百周年記念事業の式典と寄贈作品展示及び記念講習会が開催される。8月練馬区立美術館区立ギャラリーにて「吉澤折り紙の歩み展」を国際折り紙研究会会員により開催する。

現在、文化交流や相互理解を進める一環として自治体、公共センターなどで展覧会や作品の発表、折り紙の理論と技術指導を定期及び随時行っている。


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